コダーイ・システムの音階 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
先週から取り組んでいる「半音階(Nava No.10)」の練習で使用している「コダーイ・システム」による音階の呼び方です。 これの精神は、「違う音には違う音名を付ける」(=自分が今出している音が何であるかをしっかり意識する)です。 音程が微妙に悪い時などに、自分の中でしっかりと「半音違う音なんだ」と確信しながら歌っていただきたいために使用しています。 (本来は、コダーイの音楽教育法についていろいろ学びながら使っていくものかも知れませんが)。 下記に一覧を掲載してありますが、このような法則で音名をつけています。 1)嬰音記号(#・シャープ)も変音記号(♭・フラット)もついていない音は そのままイタリア音名で読む。 ただし、 ・Solの表記は都合上「So」とする ・Si(シ)は「Ti(ティ)」と読む つまり、 「Do(ド) Re(レ) Mi(ミ) Fa(ファ) Sol(ソ) La(ラ) Si(シ) Do(ド)」ではなく 「Do(ド) Re(レ) Mi(ミ) Fa(ファ) So(ソ) La(ラ) Ti(ティ) Do(ド)」とします。 2)嬰音記号(#)の付いている音は、「i」を付けて読む ド →Do(ド) ド#→Di(ディ) など 3)変音記号の付いている音は、「a」を付けて読む ミ →Mi(ミ) ミ♭→Ma(マ) など 例外 ラ♭は、「Lo(ロ)」と読む
註1:La(ラ)とRa(ら)などを区別するため、巻き舌(R)を使う音は「平仮名」表記にしています 註2:Curwenの「トニック・ソルファ法」とよく似ていますが、使っている音名が違いますので混同しないように 注意してください。 この読み方は初見で音取りをする時(そのフレーズの調性が理解できていれば)なかなか便利です。その調の中で音が変化したことが、より明確に意識できるからです。 ただし、調性が変わることが多い曲やぶつかる音の多い曲、伴奏付きの現代曲(木下牧子とか)にはあまり向かないかも知れません。 音取りにおいては(私はこのシステムはよく使いますが)、みなさん個人でとりやすい方法でやっていただければ結構です。固定ド唱法でも移動ド唱法でも弾きながらでも聞きながらでも、音さえ取れればいいからです。 ただ、ア・カペラの曲を演奏する時には、平均律ではなく純正律で歌いますので、移動ド唱法については理解しておいてください。 このコダーイ・システムによる音の呼び方については、音階練習時には頻出すると思います。 アンサンブルの時にも、和音感を統一したい時や、フレーズの中での音程感が悪い時に使うことがあるかも知れません(普通の移動ド唱法で言うことの方が多いでしょうが)。 ということで、暗記する必要はありませんが、「こんな言い方もするんだ」くらいには覚えておいていただけるといいなと思っています。 (2006.07.20) |