Ave Regina caelorum(めでたし、天の元后)
ラテン語と日本語訳

 Ave Regina caelorum,
 Ave Domina Angelorum:
 めでたし、天の元后、
 めでたし、天使たちの女王

 Salve radix sancta,
   Ex qua mundo lux est orta:

 聖なる根(である方)
  世の中に光を産み出した(方)

 Gaude gloriosa,
   super omnes speciosa:

 喜びたまえ、栄光ある乙女、
  何ものよりも美しい乙女よ

 Vale valde decora,
  et pro nobis semper Christum exora.

 真に美しい方、我らのために
  キリストに(罪の赦しを)懇願したまえ

単語の意味
 複数の意味をもつ単語については、今回の詩に必要なもののみ掲載しています

 Ave  (呼びかけ、挨拶の言葉)   gaude  歓べ
 Regina  王(Rex)の女性形   gloriosa  栄光ある
 caelorum  天の   super  超えて
 Domina  主(Domino)の女性形   omnes  すべて
 angelorum  天使たちの   vale  (挨拶の言葉
  別れの挨拶のみ)
 salve  (挨拶の言葉)   valde  真に
 radix  根、発端、起源   decora  美しい、飾り
 sancta  聖なる   et  そして
 ex  〜から   pro  〜ために
 qua  (関係代名詞)   nobis  我々の
 mundo  この世   semper  いつも
 lux  光   Christum  キリストに
 est orta  現れる   exora  懇願する

解説

聖務日課の中の、終課(Completorium)の最後に唱えられる「聖母マリアのアンティフォナ」のうちのひとつ。これは正確にはアンティフォナではない(詩編を伴わない)が、慣習的に「聖母アンティフォナ」と呼び習わす。

聖母アンティフォナは、下記の四つであり、年間に唱えられる時期が決まっている。。
 ・Alma redemptoris mater(待降節第一主日から2月2日まで)
 ・Ave Regina caelorum(2月2日から復活祭の前の水曜日まで)
 ・Regina caeli(復活祭から三位一体の祝日まで)
 ・Salve Regina(それ以外の通年)

Ave Regina caelorumは、だいたい四旬節の頃に歌われていると覚えておくとよい(四旬節の開始は毎年変動するので、大変大雑把な言い方ですが)。

なお、今回取り上げたGuerreroの曲では詩句が若干改変されている。
グレゴリオ聖歌での詩句を下記に挙げる。

 Ave Regina caelorum, Ave Domina Angelorum:
 Salve radix, salve porta, Ex qua mundo lux est orta:
 Gaude Virgo gloriosa, Super omnes speciosa:
 Vale o valde decora, Et pro nobis Christum exora.


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