曲目紹介(富士通川崎合唱団第7回演奏会 パンフレットより) | |
まず第1ステージは、ミサ通常文による祈り。ミサにおいて、祝日等に関わりなく通年で必ずとなえられる祈りの言葉の中から、信仰宣言(Credo) を除く4つ(曲としては5曲)を取り上げて演奏します。作曲者であるハスラー自身が、Dixit Maria をテキストにして作曲した1曲のモテットをもとにしたこの曲は、第1曲から終曲までひとつの旋律を主たるテーマとして展開していきます。 第2ステージは、復活祭の祈りをテーマに4曲演奏します。滅び去ったエルサレムの街の哀しみをテーマに歌われる哀歌第1章第12節は、復活祭直前の1週間、聖週間にキリストの受難を思って演奏されます(O vos omnes)。また、詩篇42(Sicut cervus desiderat/Sitivit anima mea)や詩篇81(Exsultate Deo)は、神を求めその栄光を讃える、復活の歓びにふさわしい曲です。ルネサンスからバロック期の、調和に満ちた美しい旋律を表現できればと願っています。 第3ステージのテーマは降誕祭。ちょうど季節も12月、クリスマスシーズンということで、親しみやすいクリスマスキャロルを中心に降誕を祝うにふさわしい曲を演奏します。今回は、我々と同じ富士通で仕事の傍ら音楽を続けている仲間である、富士通器楽グループ有志のみなさんを伴奏にお迎えしています。 そして、最終ステージ。事故によって四肢の自由を失った星野富弘氏が筆を口にくわえて書き上げた詩画集「風の旅」から7つの詩をもとに作曲された曲集です。四季の花々に寄せて、生命と自然と、そして自分を取り巻くすべての人々への祈りをこめた言葉が、決して昂ぶりすぎることのない、美しい旋律の流れにのって紡ぎ出されていきます。 本日のステージそれぞれで歌われる4つの祈りの言葉。ささやかな私達の祈りがどうぞみなさまの耳に届きますように。 加藤雅子 |