富士通川崎合唱団 練習日誌(2003年4月〜6月)


管理人の独断と偏見による練習日誌。練習内容やその日の所感など(^^;)
  

2003年4月
 4月 2日(水) 課題曲「Quoniam ad te clamabo」
4月に入りました。いよいよ今年の大きな目標のひとつ、コンクール向けの新曲練習が開始されます。
ということで、今日は課題曲の音取りでした。参加者はC1、S1、A3、T3、B3。
ちょうどルネサンスからバロックへ、という狭間の時代の曲です。どう解釈し、どんなメリスマとして歌うかは今後の課題というところ。まずは各パート自分の旋律の入り切りをしっかりと押さえてきてください。
 4月 5日(土)
   〜6日(日)
第一日目:
・午前:ボイストレーニング(発声、Sicut cervus desiderat)
・午後:課題曲の音取り、アンサンブル
     自由曲(Motett、Gloria)の歌詞読み、内容について
     自由曲(Motett)音取り、アンサンブル
・夜:AveMaria、課題曲アンサンブル


第二日目:
・午前:自由曲(Gloria)前半音取り
・午後:自由曲(Gloria)後半音取り
     自由曲(Motett、Gloria)アンサンブル


ボイストレーニングを最初に入れたことで、全員の発声がきれいにそろったことが今回の合宿の一番よかった点ではないかと思います。
ボイトレでは、できるだけ体を柔らかくしながら発声することと、腰から下をしっかり支えて(いつもの、骨盤を入れてハッピーサプライズ+荷物を持つ、てヤツ)声を出すというのをうまくミックスしていくような練習をしました。
長いスケールの発声のあとにフォーブルドン、そしてSicut cervusを。春まつりよりもゆっくりとしたテンポで歌いましたが、本来このくらいの方が綺麗に決まります。この人数ではブレスがきつくなってきますが、それをあと一歩粘れるように練習していきましょう。

その後、課題曲、自由曲2曲の音取りとアンサンブルを行ないました(夜は4人ずつに分かれてAveMariaも歌っていただきましたが)。声は疲れていたとは思いますが、楽譜の表記に従って一通り曲想をつけて練習したことで、おおまかな曲の骨格が見えてきたのではないかと思います。詳細はこれから練習していくことになりますが、取りあえず課題曲と自由曲について現時点で感じている事を以下に簡単に書いておきますのでみなさんもいろいろ考えてみてください。

課題曲は16〜17世紀に活躍したSchutz(1585-1672)の作品です。Sicut cervusを作曲したPalestrina(c1525-1594)とはほぼ1世紀時代が違います。この作品は、ルネサンスものではなく、もはやプレ・バロックの様式であることが演奏してみるとよりはっきりわかると思います。
それから、詩が3連から成っていますが、第一連(Quoniam ad te clamabo〜)の掛け合いよりも第二連のVocem meamの長いメリスマの方がより音符が細かく動き複雑な追いかけになっています。さらに第三連の高声部・低声部で掛け合うvideboの音形はバッハやヘンデルといった時代の作品と同質のものを感じるのではないでしょうか。
この長いメリスマをどうやって処理していくかで演奏の印象もかなり違ってくると思いますが、とにかく重くべたっとした動きにはならないよう注意していきましょう。フレーズの立ち上がりをどこに持っていくか、八分音符をどの程度跳ねていくかについては、片野先生のご意向もありますし、これからよく勉強していきたいと思います。

自由曲の作曲者Hassler(1564-1612)は、PalestrinaとSchutzの中間くらいの人です(この二人に比べて早く亡くなっているので没年はPalestrinaに近い)。ちょうどSicut cervusと同じ調性であることから比較しやすいと思いますが、MotettもGloriaもパレストリーナ様式をよく継承した作りになっています。基本的に、同じ形の旋律を各パートで重ねあっていき、中間部でホモフォニックな音を鳴らす、という構成です(VictoriaのAve Mariaがそうですね。VictoriaはPalestrinaの忠実な継承者といえます)
しかし、Gloriaの中間部の音の重ね方や終わり近くのパートの掛け合いなどは、次の時代(バロック時代)への息吹きを感じさせるものであるともいえます。この曲(Gloria)では、特に中間部の作り方が曲の色彩を決定してくるのではないかと私は考えています。

自由曲として選択した2曲については、音の配置や主たる旋律は非常に似通っていますが、実際には曲の意味するところはずいぶんと違います。歌詞の読みと簡単な解説をした時にもお話しましたが、Motettはマリアの言葉通りひたすら透明で穏やかな世界、すなわちルネサンスの調和と美を、Gloriaはそれに比べて華やかな明るさと中間部における荘厳さ、新しい時代へ向かう何かを表現できればいいなと考えています。

三曲続けて歌うにはかなり体力が必要になります。後半息切れしないように、しっかりとした声を作って演奏に臨みたいですね。
 4月 9日(水) Motett/Gloria in excelsis Deo
C1(S1)、A2、T3、B3の出席。
合宿から僅か四日で多大なる忘却係数がかかっていた模様(^^;)。来週久々に先生が見えるのだが、一抹の不安が…。
ともかく。気を取り直して2曲ともさらいました。
Gloriaの方は、中間部(P-6〜P-7の6小節目まで)をかなりゆっくりと、それ以外の部分を早めに練習しました。Gloriaという曲の性質及びMotettとの対比を考えると、かなり早めに明るく演奏することになると思いますので、速さになれてください。
 4月16日(水) 片野先生の練習(Gloria in excelsis Deo)
11月からご無沙汰していた片野先生の練習。合宿で音取り&アンサンブルを行なった曲のうち、自由曲の1曲「Gloria」を見ていただきました。
語尾のsがどの単語からも落ちていることを特に注意されました。またベースの発声についても幾つかの問題点を指摘されたと思います。音を含めて次回の先生練習までにいろいろとトライしてみましょう。
 4月23日(水) Gloria in excelsis Deo
C1、S2、A3、T2、B4。先週に引き続きGloriaの練習をしました。
最終的にどうなるかは分かりませんが、現状では以下のとおりです。
 ・テンポ:中間部(P-6)をかなりゆっくり演奏します。
  それ以外は少し早めに明るく華やかな感じで。
 ・et in terra〜bonae voluntatisまでのポリフォニックな動きを互いに聴き合う
  Laudamus te以降の4声同時に動く部分はしっかり和音を鳴らしながら進行
 ・個々に動く→和音を鳴らす(4声、上3声、下3声などのバリエーションに注目)
  →再び個々に動く→全員でCodaを揃って意識しながら演奏しましょう。
音程や和音の作りなど詳細はまた練習の時に。
 4月30日(水) Gloria in excelsis Deo
GW期間中ということでしたが、S(C)1、A3、T2、B3の出席。まあ、会社は全体的に休みというわけではないので、出勤された方もいらっしゃいますし。
えーと、そろそろMotettも練習したいんですが、どうも先に進めません。それほど難しい音は入っていないはずなんですが。次回は総会ですが、そろそろMotettも見てきてくださいね。
2003年5月
 5月 7日(水) 2003年度年次定期総会
総会前の30分〜45分ほど、Motettの復習をしました。と言っても最初の一ページ分だけです(Ecce ancilla,Domini)に入る前まで。こちらの曲はGloriaよりかなりゆっくり目に演奏します。その分、声が途切れないようにたっぷりレガートにいきましょう。次回は続きを含めてもう少し丁寧にさらいます。
 5月14日(水) Motett/Gloria
S3(C1)、A2、T2、B4。ちょっと少なめだけど、バランスとしてはまあまあ(のはず^^;)。
Motettを中心に2曲とも練習。毎回書いている気がしますが、ブレスが短くぶつぶつフレーズが切れないように、たっぷり歌う練習をしましょう。また、ポリフォニックな部分は常に先行するパートと同じニュアンスで歌うという基本をお忘れにならないように。
 5月21日(水) Motett/Gloria
出席者数の詳細を忘れましたので、練習報告を参照してください。たしか、C1、S1、A4、T3、B4(だったはず)。
次回片野先生の練習なので、自由曲を2曲ともさらいました。どちらかといえばMotettの方に時間をかけましたが。せっかくの先生練習なので、次回までにもう一度よく楽譜を見てきてください。
お客様にOBのTさんをお迎えしました。ただし練習後の飲み屋さんからの参加(^^;)。今度は練習中にいらしてください>Tさん。
 5月28日(水) 片野先生の練習(Motett、Gloria)
S3、A5、T3、B3(だったかな?)。
Motett、Gloriaともに全音移調します。G-durで演奏することになりましたので、今後はこの調で練習します。また、Gloriaはかなり速めに演奏することになりそうですので、歌詞が充分こなれているようにしましょう。
2002年6月
 6月 4日(水) Motett/Gloria
S2(C1)、A3、T2、B5。
前回の片野先生の練習で、2曲とも全音高く移調することに決まったので&テンポ等がこれまでのものより速くなったため、それに対応するための練習を行いました。Gloriaは中間部を含めて110〜120前後で演奏することになりますので、口が回るようにしてきてください。
 6月 7日(土) 午前:ボイストレーニング
午後:休日練習(Motett、Gloria)
午前中は望月先生のボイストレーニング(S1、A2、T2、B5)でした。
女声の出席率が悪いというかここしばらくは特定のメンバーしかボイトレに出てきていません。ボイトレの日はたいてい午後練習が入るので人によっては負担が大きいのかも知れませんが、ボイストレーニングは個々人の声の発展という意味でも、団としての声をそろえていくという意味でも非常に重要です。長期的に予定を出すようにしているので、できるだけ予定を調整して参加していただきたいと思います。

さて、午後は休日練習で、S1、A3、B1増えました。低声部は合唱祭に出演するメンバーは全員参加でした(ぱちぱちぱち)。合唱祭に向けて、演奏する2曲の曲想を中心に総合的に練習を行ないました(練習内容詳細は別途パート内でフォローしていきましょう)。次回、片野先生の練習では今回の練習内容を活かしていきたいですね。

ちなみに。発声の際のカデンツの種類を幾つか増やしました。普段行なっているカデンツは4声でも3声でもT−W−T−X−T形式のものですが、今日はそれに加えてT−X−T、T−W−X−Tを使いました(というかこちらの方がより基本に形ですが)。そのうち、他の終止の形式のカデンツも練習の中で使います。曲の中でこれらの和音進行が出てきたときの感覚を普段の発声練習時にできるだけ養っていけるといいと考えています。
 6月11日(水) 片野先生の練習(Gloria/Motett)
練習開始当初、各パート一人のカルテット状態で一体どうしようかと思いましたが、最終的には、S2、A5、T1、B5でした。低声部強い!高声部はどうしているのか。練習出席回数が極端に少ない人がいるのが非常に心配です。
さて、テンポが決まりました。Motett 88〜92、Gloria 100〜110です。
Gloriaが遅くなったので、ブレスが大変かもしれませんが、語尾までしっかりと歌ってあまりせわしなくならないようにしましょう。 
 6月18日(水) 東京都合唱祭の練習
C(S)1、A2、T3、B3
えーとソプラノがいないんですが(^^;)。大丈夫なのか、本番。と、その前に次回は片野先生の採集練習なんですが。というわけで、ソプラノはパート練習をすることにしました……。
 6月21日(土) 片野先生の練習
全員そろいました。狭い方の部屋で何かと大変だったと思いますが、先生のいらした前後の時間も含めてかなり充実した練習ができたと思います。このまま次回微調整をして、本番まで頑張りましょう
 6月25日(水) 東京都合唱祭の練習
S4、A1、T3、B5
本番直前ということですが、アルトがほとんどいません(^^;)。今回はそういう不安な練習が多かったような気がします。土曜日はしっかり練習できたと思うので、大丈夫だと思いますが。とにかく、今週末、頑張りましょう。