富士通川崎合唱団 練習日誌(2001年1月〜3月)


管理人の独断と偏見による練習日誌です。公式の練習報告とは特に関係ありません(^^;)。

2001年1月
 1月10日(水) 21世紀最初の練習。正月休み明けは、毎年、人数が少ないのだが、今年は17名と出席率が良かった。内声が特に充実。最近、一番の出席を誇るソプラノはやや少なめ。

さて、演奏会4ステになる「気球の上る日」の練習がついに始まった。1曲目「いざない」の音取り。
思ったより手間取ったので、今日はP−9までしか進まなかった。音符はそんなに難しくないんだけど。。。
どうやら、ホモフォニックな曲の方が得意なメンバが多いようだ。「気球」は、各パート応分に旋律がくるので、ソプラノ主旋律、という意識ではなかなか音取りに手間取る。スコアを縦に(全パートまとめて)読んでいくといいのだが。

今日は、次回演奏会のホールの説明が演奏会マネジャからあった。その話し合いのため、練習は20時10分に終了。
 1月17日(水) 先週、音取りが終わらなかった「いざない」を最後まで音取り。
この曲は、4回転調する。メンバの中には、調をつかむのにかなり苦労していた人もいるようだ。実際には、困るところと言えば、2拍子にかわった直後と、もう一度もとの調に戻るところだけだと思う。実際に伴奏付きでアンサンブルを行うことで理解できると思うのだが、どうだろうか。

音取りについては、各自の能力や特性で早い遅いがあるので、全員がパーフェクトに取れるまで待てないことが多い。いわば見切り発車をするわけだ。
しかし、細かいことは各自やり直してもらうとして、早くアンサンブルに入った方が、曲の全貌がつかめて理解が早くなるという側面もあり、結果的に効率がよくなることもある。同時に、大人数の合唱にはありがちだが、細かい部分がおろそかになり、最後まできちんと音が取れていない人がでてしまうこともあり、最終的なアンサンブルの質を下げてしまうこともある。
その匙加減がなかなか難しいところなのである。
 1月24日(水) 片野先生の練習のはずだったのだが、残念ながらご都合が合わなくなり中止。
今日は、「いざない」のアンサンブルを中心に行った。
休符ごとにブレスが聞こえるのが気になる。休符は休符だが、音楽の流れが切れないように歌うべきである。
P−5、3/4拍子の小節の八分休符は逆に止まった感じを出したい。ライトプレーンというものは、飛び上がるときもラジコンのように一直線にあがらない。空気の流れに乗って、ついっとあがったかと思うとゆっくり下降し、また浮かび上がる。その浮かび上がる感じと、青空に映える白い翼(ここは絶対白い翼が似合う、それも真っ白ではなくてちょっと黄味がかったいろ)の対比を歌いたいものである。
最後のフレーズの「未知の闇、の」に入る休符も、ここは充分活かしたいところだ。未だ見えざるもの、という感があらわれるところだから。
中間部も音はほぼ固まってきた感じ。あとは、今日の練習の成果をいかに忘却係数を小さくして保持し、次の練習にいかすかにかかっているだろう。

Victoriaは、今日はなかなかいい出来。ポリフォニックな部分をもっとよく感じてほしい。音は「気球」より感じやすいはずなので、より発声に気を使いたい。
 1月31日(水) 「気球」の2曲目、「風が強いと」の音取りをP−29まで行った。今日は、修養室のストーブが壊れていて(正確にはガスボンベの方が不調?)非常に寒い練習だった。参加者も、ここ3週間では最低人数か?S2、A3、T4、B4の13名。
曲自体は難しくないのだが特に前半部分は、全体像がつかめないと、どこの伴奏を自分が受け持っているのか分からなくなってしまうかも知れない。できれば、4声一遍に音を取った方が、曲のイメージはつかみやすいのでは、と思うが、やはり、細かい音をおざなりにしたくないので、分かれて音取り。内声は、いつもそういう役割を引き受けているので、理解が早い。

後半は、団内ステージの候補曲の説明を行う。どうも寒さでみな縮こまってしまっているようだ。かく言う私も、冬の練習中めったにない「コートを着る」状態だったので、かなり寒かったのが骨身にしみている。曲がりなりにも東証一部上場会社の施設内で、なんでこんな寒い思いを。。。もう少しマシな暖房がほしい、と思いながら、一生懸命説明を続けたのであった。(後日談:しっかり風邪をひいてしまった。この冬はあまり風邪をひかなかったのだが。。。(;_;))
2001年2月
 2月 3日(土) 今年初のボイストレーニング。今日の練習曲は、望月先生のご専門の、グレゴリオ聖歌とVictoriaのAveMaria。
幸い、ストーブがつくようになっていたので、前回よりは暖かかったが、人の練習を聴いて座っている間に体が冷える。自分が歌う頃になると、みな、そこはかとなく声が震えていたりして(^^;)。

さて、今回もネウマ譜の方でじっくりレッスンしていただいた。4線で読みにくい(ため、つい読まずに覚えて歌ってしまう)のだが、言葉のイントネーションに沿った自然な強弱とか、単語のどこがアクセントかということが現代譜と違ってよく分かる。結局、ネウマを見ながらの方が、歌いやすいのである。
とくにペスの歌い方や、その後音が下降する際の着地の仕方など、今回も教わり所満載の練習であった。今日は、倍音が非常によく出ていた。歌う側の音程や発声がそろうほど綺麗に出るので、今回のメンバは皆よく音が揃っていたというべきか。
Victoriaについては、男声の音程(発声上の問題)を集中してみていただいた。
今日は10名と少なかったが、自分としては充実したレッスン。次回も楽しみだ。
 2月 7日(水) 気球の2曲目「風が強いと」後半部分の音取り。そろそろ、冬場のいつも通りというか人数が少なくなってきて、今日も13名。
「風が強いと」の後半は、音は取りやすい。しかし、音が出しやすいなら、その分発声に気を使うべきなのに、その辺りが甘いように思う。ボイストレーニングでも、「毎回、練習のたびに自分なりの課題を考えて歌うように」と言われているはず。音が簡単ならば、強弱記号やユニゾンをそろえることにもっと神経が回るはずなのだ。
速い音符やちょっと洒落た和音(6音とか7音とかのある和音)で音程に苦労することについては、個々の資質(音取りが早いか、身体に入ってからが強いか)なので文句はないが、絶対できるはずのところをうっかり歌い流してしまうことは、厳に慎むべきであろう。
苦戦しているメンバもいるが、曲の全体像が見えてきたら、絶対に楽しくなってくると思うので、もう少し夜明け前の寒さに耐えて頑張っていっていただきたいと思った練習であった。
 2月14日(水) 「風が強いと」のアンサンブル。まさか、この曲でこんなに苦労するとは思わなかったのだが、何とか曲が形になってきた。
全員出席のソプラノは、大苦戦の末、ようやく音が取れた模様。細かいところは、まだ少し取れてないようだが、これでアンサンブルレベルに到達といったところだ。音取りの度に、アルトやテナーがやり直しをさせられているのを余裕で待っていることの多いソプラノだが、今回、内声の偉大さが良く分かったに違いない。そう、これからは「アルトさま」と呼ぼう(^^;)
全体的に、曲の動きが見えてきたようで、練習の最後には曲の表情もついてきた。一安心。
次回は、片野先生の練習。1月からの成果を遺憾なく発揮して、数少ない先生の練習日を有効に使いたいものである。
今日はバレンタインだったので、チョコレートを持って行ってみた。練習開始前の時刻(18時ころ)には、ワゴンなんかは売り切れ状態だった。のどかなニッポンの風景である。
 2月21日(水) 今年初めての(21世紀初!)片野先生の練習。
あけましておめでとうございますが完全に時期はずれだが、今年もよろしくお願いします、先生。

先生がみえるまでは「気球」の2曲目、「風が強いと」をさらっていたのだが、先生の練習は、AveMariaから始まる。グレゴリオ聖歌は、ボイストレーナーの望月先生に先ず見ていただいたので、ネウマとモダン譜のどちらを見たか、ペスの長さ、などをとりあえずご報告する。大体、ボイトレの時と同じような読み方で進むことが確認された。
続いて、VictoriaのAveMaria。この曲は、先生の得意中の得意の曲である。思ったより速いテンポで演奏することになり、みんなおたおたする(^^;)。中間部の「SanctaMaria。。。」あたりの強弱は、団内練習でつけてあったので、大体良かったが、前半部分の強弱がなくなってしまっていた。テンポに幻惑されただけ。。。だよね。言葉の抑揚をもっと活かして演奏すること。

気球は1曲目だけ、ざっとさらう。和音構成がさっきまでとがらっと変わる(450年以上時代が違うんだから当然^^;)。曲想より何より、音程をしっかりやらねば。という感じで、先生の練習は終わったのであった。
 2月28日(水) 2月最後の練習。今日は、春一番が吹いたそうで、昼間はすごい風だった。

さて、今日はClemens non PapaのAveMariaの音取り。短い曲なので、30分くらいで音取り終了。
女声が3部になるのだが、今日は真中以外は少なかった。う〜ん、パート割を考え直さないといけないかな。。。?音が難しいわけでなく、言葉がどこに当たるかに対応しきれていないだけ、という感じ。きっと来週は、曲になるでしょう。
ずいぶん明るい感じのAveMariaである。アレルヤ唱も入っているしね。

グレゴリオ聖歌の方は、できるだけ早く、4線譜で歌えるようになっていただきたいところ。やっぱり、演奏のニュアンスが違いますね。現代譜でやるよりも、気分が出るし。

だんだん、練習場が快適な気温になってきた。次の夏、せめて冬には、新しい冷暖房完備の部屋に移りたいね。
2001年3月
 3月 7日(水) ClemensのAveMariaの続き。
最初、人数がとても少なかったので、やむを得ず、音取りの復習を行う。音よりも言葉のあて方で混乱が生じているようだった。これまで演奏してきたAveMariaとは少し違う感じがするからかな。
演奏CDがなかなか無いのでイメージが湧きにくかったClemnsの曲だが、形になってくると結構いい感じ。ただし、先生に見ていただいていないので、速さについてはどうなるか未定(^^;)

先週に引き続いてVictoriaの復習をして、今日は20時に練習を終了する。いろいろと説明や討議を行なうことがあるのだ。

演奏会第2ステージの選曲報告を行なった。これで、アンコール以外の曲がすべて出揃ったことになる。選曲委員会もほっと一息といったところ。尤も、次の行事の演奏曲や、練習日程の割り振り、合宿の練習の下準備などなど、仕事は山ほどあるのだが。。。

先週、「次の夏には新しい場所で」と書いたが、いきなりこの春に移転が決まった。移転準備が急であわただしいが、新しい&広い&冷暖房完備(ここ重要!)の練習場所へ移転できるのだ!!
 3月14日(水) 「気球」3曲目、「かなしみ」の音取りを行なった。
短い曲で、おそらく音程は最も取りやすい。そのためか、音取り自体はあっさりと30〜40分で終了。ただし、アンサンブルは「気球」全曲の中で、一、ニを争うくらい、体力と集中力を使う曲なのだ。まず。曲全体をレガートできれいにハモらせなければならない。パートソロ(特にテノール)が多いので、パートごとの歌いまわしの上手い下手が出てしまいがちだが、それが聞き手にわかってしまったら、この曲はオシマイになってしまう。
いかになめらかにパート間をつないでいくか、伴奏を受け持つパートのハモりの美しさ、この2点が勝負どころ。

さて、今日は、2001年度の役員選挙。定足数にはぎりぎりだったが、不在者投票も入れると、充分な有効投票数であった。やはり、役員選挙と年次総会は団員としての責務を果たさなければね。選挙管理委員長の素晴らしい運営により、時間が残ったので、クレメンスとヴィクトリアの復習もできました。
 3月17日(土) 今年2回目のボイストレーニングの予定だったが、望月先生急用のため、やむなく中止。
しかし、練習は中止にはならないのであった。とは言え、2001年になってから、最も出席率の悪い練習となった。今日は、修養室引越しのための梱包作業もする予定なのに、なんてこったい、の7名。
練習は、ボイストレーニングで使う予定だったAveMariaで行なう。人数が少ないので、まず重点的にグレゴリオ聖歌を練習。指揮なしで、先唱に続けて合わせて歌う。本来、グレゴリオ聖歌はそうやって歌うものなのだ。ステージでも、この形態で演奏できたらいいなと思うが、そういうわけにはいかないだろうか。
Victoriaも、ポリフォニックな部分はちょっと練習にならなかったので、後半部分を集中して行なった。どちらの曲も、楽譜にかじりつく曲ではない。早く覚えて、体の中から自然に音が出てくるような演奏にしたいものである。

さて、肝心の引越し荷物の梱包は、業者の手違いか梱包材が届いていないため、作業にならず。あと1週間で移転なのに、こんなことでいいのだろうか?無事、引越しがすむことを祈りつつ、全員、撤収したのであった。
 3月21日(水) 片野先生の練習であるとともに、長年お世話になった修養室最後の練習日。
1ヶ月前、先生がみえたときは、「今年こそは移転がありそうです」という話だったのだが、急転直下、今日で修養室最後とお話すると、先生もとても驚いていらした。14年くらい前になるのだろうか、片野先生に常任指揮者になっていただいた時には、すでに修養室で練習していた(らしい)ので、先生にとっても、さまざまな思い出があることだろう。

さて、練習。VictoriaとClemensのAveMaria。カデンツに続いて、まずVictoriaを練習する。主要三和音のようなごく単純な和音をきちんと決めつづけること、音の粒がそろったまま歌うこと、AとOが暗くなりすぎない&IとEがつぶれないよう、本当に基本だが、これをきちんとこなしつづけることは逆に大変なことなのかもしれない。テンポは、四分音符=106程度におさまる。よかった。前回は、かなり速かったので、全員、おたおたした演奏になっていた。
続いて、ClemensのAveMaria。完全にポリフォニーなので(ヘンな言い方だが^^;)どのパートも一筋のずれもなく、間違いもなく歌わないと曲にならない。曲自体は、明るくて綺麗な曲なのだが。
後半のアレルヤ唱の部分まで練習をつけていただく時間がなかったので、今日はこの曲は簡単にさらったくらい。次回までに、よく各自さらっておいていただきたい。

今週の金曜日、修養室の荷物を梱包する。これでお別れと思うと、暑くて寒くて不満ばかり言っていたのも、懐かしいような気がする。さようなら&ありがとう、修養室。
 3月28日(水) ユニオンビル移転、初練習。
さすがにリニューアル直後だけあって、新しくて綺麗なホールになった。。。。が、引越し直後の部屋そのままに、荷物などは未だ分別・開封されていない状態。
よく響くのはいいのだが、もう少し音響デッドでもよかったなぁ、ちょっと風呂場音響だし。。。と贅沢を言ってみる。広いし、綺麗だし、冷暖房完備だし、言うことないんですけどね(^^;)。

さて、今年は4月8日開催になった「さくらまつり」の練習。久々のケンタッキー、みなさん、歌詞を忘れましたね。前回演奏会(99年11月)アンコールのときは、いい演奏だったのに、なんかたどたどしい。。。有名な曲なので、キメの部分をきっちり歌いこんでくださいね。
早春賦は、最近の学校では教えてるのかどうか知らないが、ある程度以上の年齢の人は皆、音楽の時間に習ったはず。歌詞だって覚えたよ。。。ね?2曲とも、楽しそうに軽やかに演奏していただきたいなと、切望する次第である。
今日は、「気球」の音取りしようと思っていたが、さくらまつりがデンジャラスになると困るので、続けて、AveMariaを練習する。うん、こちらの方が、安定感のある演奏ですな。ということは、ウチの団は、忘却係数が非常にでかい団ということなのか?いつでも新鮮な気持ちをもって歌うのはいいことだが、短期間でリセットがかかってしまうのは困りモノだ(^^;)。
あと、「かなしみ」のアンサンブルを行なう。こういったパートソロが多い曲をやると、各人の歌ごころが如実に表れてくる。八分音符の処理を繊細に、息継ぎをして音楽をぶつ切りにしないように、尚且つ、微妙な「間(ま)」を表現してほしいものである。

さて、3月の練習(即ち2000年度の練習)は、今回で最後である。
次回から、新年度。この日誌も、雑感を書き流すだけでなく、もう少し役に立つ形に変えていこうかな、と思っている。まあ、読者がいるのかどうかは分からないので、自己満足に過ぎないかもしれないのであるが(^^;)。