2013年関東大会講評、感想
審査員講評: ()内は、各審査員が当団を出場15団体中何位につけたかです

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竹内 秀男 氏 (12位)

課)男声、女声共にさわやかな音色(発声)をもって、課題曲をきかせて
  くれました。
  原語もしっかりし、よく伝わりました。

自)曲柄でしょうか、
  やや男声の音色に荒さが目立ちました(惜しい)。
  曲想表現はよく工夫されていたと思います。

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伊東 恵司 氏 (12位)

課)声の豊かさが欲しい。ソプラノのピッチも高く。
  祈りの音楽を!!

自)音程をよく聞き合いたい。
  シンプルな音構造なので、理解して歌いたい。

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江上 孝則 氏 (9位)

終曲のp、pp 素晴らしかったです!
Prelude 男声は、Ha 同じ明るさの母音で!
bar 30・・・legato大切に!

註:bar 30というのは「30小節」という意味です。
  Preludeなら「unde suspirat〜」、
  Northern Lightsなら「(A)-verte oculos〜」の場所です。
  書き込みの場所的に「Prelude」の方を指してると思われますが……。

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北原 幸男 氏 (7位)

きめ細やかな表現は優れている。
拍子感、特に重さ軽さのコントラストが更にあれば、良いと思った。
とてもあたたかい声が印象的であった。

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辻 秀幸 氏 (4位)

課)美しい演奏です!高揚感も神秘性も喜々としたSoundも
  この曲の演奏に相応しいと思います!
  女声陣の下行音形の声の質が平らたい感じになるのがちょっと残念!

自)各節の表現の色彩の変化が楽しく、声の使い方も巧みです!
  二曲のコントラストも素晴らしく感動です!
  それにしてもバスパートの歌詞少なかったですネ!?
  何か企業秘密でも……???

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指揮者感想:

事前練習等:
・今回、特にテキストの流れを徹底的にやったつもりでいます。
 (いつもの年より念入りに)
 そのことが、特に課題曲の流れ、曲の理解につながったのではないかと
 思っています。
 また、声をそろえることについて、発声練習の中でも工夫をしてきましたし、
 ボイトレとの連携も考えてきました。
 その成果が出て来ていると思います。パートで練習をして下さっていることも
 大変よかったと思います。

・仕方のないことですが、練習出席率の多寡が大きく影響している部分が
 あります。パートの中で休んだ方にも連絡をしていただいているので、
 かなり助けになっていると思いますが、たとえば
 「今日は歌詞の読みをたくさんやりました、○○の部分のレガートが
  足りませんでした」
 とつたえてもらうだけより、一緒に何回も声をだしてレガート感やスピード感を
 揃える方がもっと効果があるわけです。
 また音程感覚は歌いながらそろえていくしかありません。
 
 これからは、出欠の回数だけでなく、「こういう内容で練習した時に、
 いなかった人は誰だろう」⇒「その部分をその人を含めて別の機会にも
 練習する」ということをもっとやれるようにしていきたいと思います。
 みなさんの方でも、自分個人のこと、パート全体でのこと、両方の面で、
 そういう意識を共有してもらえるとよいと思っています。

演奏について:
課題曲の構成、流れなどは良かったと思っています。
もうちょっと丁寧に音程をそろえられたところがあった、また歌いだしと
フレーズの切りが完全に一つになり切れていない部分に、ちょっと残念な
感じが残りました。
また、各パートの反省点でいえば、たとえば以下のようなことがあるかと
思います。(自由曲でも同じ傾向があると言えばありますね)

 ・ソプラノは県大会より格段に安定した出だしだったが、やはり遅れて
  鳴りはじめる人がいる。その傾向が、高い方のEで、母音がそろわな
  いことの原因でもあるかと思っている。エの母音の不揃い感が強い。

 ・アルトはEあたりの音(ロングトーン)、低い方から飛ぶ高めの音
 (Aあたり)がそろわない傾向にある⇒息が足りなくなる時、特に。
  ひとつのフレーズの中でうねりが作れるともっといい。

 ・テノールは直前まで珍しく音程に不安があったが、よく戻してきた。
  ただし何箇所か明らかに低くなってしまった部分があり、特に最後の
  アレルヤの出が低かったのが残念。
  歌い回しは巧みであると思う。もう少し音量が欲しいところ。

 ・ベースはよくそろえてきたと思うが、細かい部分で音程がつぶれてく
  るところがいくつか分かってしまうのが残念。
  フレーズをもっとクリアにしたい。

自由曲二曲については、曲の歌いだしのコントラストがあって、良かったと
思います。「Prelude」を歌った団体としては三団体目だったのですが、
同じOjeloの曲の組み合わせでも、我々が演奏したのが非常に映像的な曲
「Northern Lights」であったことが、審査員の印象に残ったのではないか
と思います。

しかしこちらの曲では特に、繊細にぶつかる音程がいくつも出てきます。
それについては、もっともっと精度を高めたかったというのが一番大きな
反省点でしょうか。それでも県大会よりぐっと進化しているので、よい音も
鳴っているのですが、練習中はもっときっちり合わせていけた部分が
ありました。そしてやはり乱れる音は同じような傾向がありました。

伊東氏からの評価が特に辛いのは、彼の審査員講評にあったように、
「曲の時代、ジャンルによってどういう声を出すか」「どういう耳の使い方を
してそろえていくか」という観点からみると、我々の演奏には不足している点が
いくつもあった、ということでしょう。
自由曲をそういう耳で聞き直してみると気がつく事があると思います。

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と、いろいろ書きましたが、全体を通して、一番強調しておきたいことは、
「みなさん活き活きとした表情の良い演奏であった」ということです。

部長や他の聴いていた方たちの感想もとても良いものでありましたし、
練習したことの多くをステージでもきちんと出すことができたこと、特に、
三曲の色彩の違いが県大会の時よりも、しっかりと聴き手につたわったと
いうことが、私たちにとって大きな収穫ですね。

今年は関東大会まででコンクール終了となりましたが、一般部門で他の
ライバルと戦って、堂々と銀賞を受賞して帰ってきたわけです。
そのことに自信と誇りをもっていいと思います。
さらに前進するために、反省すべきところは反省し、次に活かしていけるように
しましょう。


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(2013年10月1日Chorus-MLより)

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