全国大会感想

2009年のコンクールシーズン、長い戦いでしたが、みなさんお疲れさまでした。
雪の札幌への遠征、航空機、電車のトラブルなどありましたが、心配していた新型インフルエンザの感染による欠場者もなく、全員で舞台に立てたことはとても嬉しいことでした。

今回の結果も、銅賞、そして順位表をみるとわかりますが、最下位ということで、みなさんもいろいろな思いを抱いていると思います。
今回は関東大会での演奏、手ごたえなどが大変よかっただけに、さらに上を!という意欲もあり、正直言って悔しい思いでいっぱいですが、ある意味では、我々の演奏がそこまで届かなかったということで、真摯に受け止めるべきであるとも思っています。

演奏を聴いた感想などはすでに団長がとりまとめたものがありますので、ここでくどくどしく繰り返しになるようなことは書きません。
一言で言えば、ホールに負けた、ということが言えるでしょうか。


ここ数年、我々の団としての実力はずいぶん伸びてきました。
相変わらずスロースターターであることはそうですが(県大会までに歯を食いしばってでも、という気概が足りない)、関東、全国と続く大会での伸びシロがある、というのか、同じことを繰り返さない、少しずつ演奏がよくなっていくようになりました。周囲の方からの評価も、今年はずいぶん良かった、というものが多く寄せられています。

あえて不足を言えばパートの中心の人に頼りすぎる部分があるという点でしょう。
裏を返せば、よく調和した美しい音を作り出す力でもあるので、「合わせるのをやめよう」というつもりはまったくありません。
ただ、今回のホールのような、周囲からの手ごたえが感じにくいところにくると、演奏の活き活きとした躍動感が一気にしぼんでしまうという傾向が見られるようです。関東大会では、逆に、風呂場音響のような舞台であったこともあって、気分よく飛ばしていけていたことを思い返すと納得がいくのではないでしょうか。


一人一人がソロのように、なんていう先生もいますが、それは言うほど簡単ではありません。ソロのようにと言ったって、あまりに自分の個性を押し出したらそれは合唱にならないし、全員がソロのような強い声だからと言って良いアンサンブルになるとも限らないからです。

パートの中心になりそうな声、周囲にうまく合わせていく声、大きめの声の人たちを接着剤のようにくっつけてくれる声、音程が正確で頼りになる声、いろんな特長をそれぞれが出して、それを合わせてアンサンブルになるのが合唱のだいご味です。
だから、無理をして「ソロのように歌う」なんて力む必要はありません。
しかし、それとはまったく別の視点で「一人でも、たとえ本心は不安であっても、不安じゃないように歌う」ということだけは、ソロの人のようでありたいと思います。


そして、周囲の音がよく聞こえない時、合わせにくいと思った時、単に独善的に声を張り上げるのでなく、萎縮するのでなく、歌うために、普段から、「自分に対する分析力」をつけていくといいと思います。

「自分はどの程度の音程の正確さがあるか」、「リズムや子音の入れ方でずれてしまがちなのはどこか」などを良く知っておくこと、「こういう時はこういう注意をされている、これはやめよう」などということを瞬時に判断する力を付けること、などです。
それが備われば、「こんな風に身体を使えば自分のいつもの声になるはずだ」「○さんはこんな風にするはずだからここで合わせよう」ということが、よく聞こえていなくてもできるようになるでしょう。もちろん読み違いは少なからず発生しますが、何度も繰り返すことでその誤差を小さくしていくことができるのではないかと思います。
そのためにも、練習を繰り返すことが必要です。練習はできるだけ休まず継続していくことで、みんなが伸びて行くことができるようにしたいですね。


次年度からはまた、新たな目標に向かって進んでいくことになります。

使える者はなんでも使え、ということで、ボイトレの先生も、講習会の先生も、なんでも利用してやる、くらいの気になって、どんどん新しい事を吸収していきましょう。
とにかく「使えそうなものはなんでも試してみる」こと、「自分を表現することに貪欲になること」これを目指して、また頑張っていきたいと思います。
もちろん、我々の最も良い点、調和すること、音に沿っていく力などはさらに伸ばしていきたいと思います。

富士通合唱団らしい音楽、私たちが現時点で最高だと思えるものを表現していけるよう、来年も一緒にがんばっていきましょう。


今回も、順位表まとめ→ を掲載し、さらに、ここ数年の金銀銅の分布などもわかりやすく作ってみました→
審査員の傾向を分析するもよし、「お、○○先生わかってるじゃん」と思うもよし、各人が自分なりの分析をして、新たな目標を立てて下さることを願って、今回のコンクール総括を終えたいと思います。


2009年12月31日

Back