2008年関東大会講評、感想 |
審査員講評: 1)江上孝則 氏 課題曲:声の張りが欲しいです。音色の明るさも欲しいです。 自由曲:Ubi Exsultemus 伸びのびと! 2)河合孝夫 氏 課題曲:全体にとてもきれいにまとまっておりました。 旋律の横の流れが少しきゅうくつに聞こえました。 テンポが少し遅すぎたのかも知れません。 自由曲:バランスのいいサウンドの演奏でした。 やはり横の流れが足りなく聞こえました。 フレージングを大切にしてください。 まとめ:とてもきれいな声なのですが、マスクで声を響かせていないため 歌詞のシラブルごとにフレーズが切れてしまいます。マスクを 使って、ひびきで歌う練習をされるといいと思います。 (註:マスクの図解付き) 3)鈴木茂明 氏 課題曲:良いTempo感。Versusからもう少し動きがあっても良いと思います。 Altがより響きたい。細やかなリズムが聴こえたいです。 全体的構築は良い。 自由曲:柔らかい声とハーモニー。 Ubi caritasは、もっと明るい心で表現豊かに! Tu es PetrusはSopの音の立ち上がりしっかり。 Tantum ergoは、ことばからのlegato唱をもっと豊かに! 全体的に女声が少ないためか、表現がもう少し。 4)樋本英一 氏 課題曲:軽やかな声、トーンで良いです。 ただそれをさらにしっかりとした支えをとった上で作れると良い。 少々支えを上げて(なくして)そのトーンにしているような気がする。 自由曲: 1)聖歌の持つ律動(これはラテン語のもつ線からくる)を息の線で表し 歌いたい。そのためにも、息のでどころ(支え)をしっかりしたい。 (または曲のなよやかなトーンを作るために支えがなくなっている のかもしれない) 2)上記の原因によって、テンポ、速いシラブルのさばきに負けて声が つぶれ、音程も定まらなくなる。 3)1)と同様の印象。 5)渡辺三郎 氏 課題曲:やわらかく、軽い発声が快いですね。 横の線の力がもっと欲しいように思いました。 自由曲:上と同じくですが、各パートの音の透明度が増すと、緊張感がさらに 高まるのではないでしょうか。 |
指揮者感想: -----<2008年10月14日 Chorus-MLへのメールから抜粋>----- 関東大会お疲れ様でした。 結果は銀賞で悔しさ半分、全国大会への推薦はしていただけて嬉しさ半分 という感じではありますが、とにかく、全国大会でより良い演奏ができるように 頑張りましょう。 詳しくはみなさんとCDを聴いてからにしますが、私の雑感を。 演奏中は、明るく軽やかで(講評にも何度も書かれていますが)、とても 良い手ごたえを感じました。 ただし、一曲目から始めるとどうしても最後の曲が歌にならない(緊張が 切れて、それぞれのパートのバラけ具合が目立つ)、音程に対するシビア さに欠けるという欠点がありました。 また、指揮台で聞いた音と、ホール内(特に舞台正面座席)の音がかなり 違いました。 今回の審査結果(特に一般A)を見ると顕著ですが、強い音、大きな音の やっていることは良くも悪くも増幅され、パテのように間をうめている ふわふわした音の働きがあまり効果的に聞こえなかったようでした。 我々の演奏としては ・県大会よりは確実によくなった ・一曲ずつ抜き出すととてもいい局面が多くみられるが、続けて演奏 した時にそれが表現できていない部分がある ・きっちり組みあがる音楽はそこそこ良い結果を出せるが、各パート 別進行のものがいま一つ ・言葉をもっと自在に操れたらいい、音楽的体力をつけたい という感じです。 全国大会まであと一ヶ月半あります。 これからは演奏会向けの練習も始めますので曲数が増えて行きますが、 できるだけ効果的によい練習をして、今度こそ最初から最後まで悔いの ない演奏をしたいと思います。 みなさん、頑張っていきましょう! -----<CD試聴時のメモより>----- 全体的に、もっとラテン語のディクション。 Amenが三回ともつぶれる、和音が濁る。 フレーズ最後の和音にもっとこだわるべき。 課題曲:Sopがやや上ずる箇所あり。Tenの高音、母音がつぶれている、のど声。 Versusがうまく転がっていかない。 Dox:Tenの喉の響が気になる。 不要な語尾、小さくなるべき言葉が大きい(eratなど) et in saeculaからの構成感。 自由曲: 1)Bパート、ソプラノもう少し音量。語尾が淡白すぎる。 Aパート、A'パートの音程。 Amen Aで下がってmenがつぶれる(言葉、音程ともに) 2)Sopの音色がいい。全体的にもう少し明るく。 meam等でheheheで動かない。下三声動き。 3)出だしのSop、言葉。動きがゴツゴツ。言葉が途切れないように。 Bassラスト前の音程修正。 -----<ボイストレーナーから1>----- ・課題曲は良かった ・自由曲の発声、ルネバロ系との使い分けができていない。 ・課題曲、テナー。Doxの音が上がるところが割れている。 ・自由曲1、3曲目。シラブルが完全に分断されている。⇒スーパーレガートで歌う。 2曲目。Sop+下三声の部分。言葉の抑揚がばらばらで崩壊して聞こえる。 ⇒言葉の流れを尊重して歌う。 ・言葉を音節ごとに置きにいかないこと。 -----<ボイストレーナーから2>----- ・音の方向性が見えない。 ・音と音の間が途切れて聞こえる。 ・Sop、身体の欲求に反して頑張って声を出してるように感じられるところがある。 旋律や言葉を強調したい時に少し無理をしているようである。 ・Tenが均等割り付けみたいに歌っている部分が散見される。 ----- |
団員感想: 各パートでの反省は、詳細がパート内に回っています。そちらを参照してください。 特に多く寄せられた反省を抜粋して以下に示します。 全体: ・神奈川県大会よりかなり上達している。 ・課題曲が特に良かった。 ・力配分のせいか、体力のせいか、自由曲三曲目まで声の力や緊張感が保てて いない。 ・発声的な問題、言葉の問題にもう少し取り組みたい。 課題曲: ・フレーズの流れ、横のつながりが切れてしまう箇所がある。 ・「a」や「e」の音色が汚い、そろっていない部分が目立つ。 自由曲: 1)アルト一群と二群の言葉、音程感などをそろえたい。 全体的に暗い。ぶつかる和音を決めたい。 Amenがいま一つ決まっていない。 音程的な問題(各パートごとに反省多数あり) 2)良い出来だった。 Sopが上ずる、声の荒くなったパートがあるなど、細かい部分の傷がある。 3)疲れきっていて、三曲の中では一番よくない。 横の流れがない、テンポを刻むようになってしまっている。 メリハリがついていない。 良くなっている部分も多くあるので、できるところを増やしていきたい。 |