全国大会感想

2008年度のコンクールシーズンが終了しました。みなさま、全国大会の演奏、岡山への遠征旅行ともにお疲れ様でした。

今回の結果も銅賞でした。関東大会を「金賞該当なし」で通過してしまっただけに(そして、関東大会ではいい部分も増えたけれど演奏としての反省点もたくさんあったために)、全国大会ではぜひともいい結果を出したいと思っていましたので、少し淋しいなあと思わなくもありません。
しかし、演奏としては、これまで三回の全国大会の中では一番良いできだったのではないかと思います。演奏していたみなさんも、手ごたえを感じていたようです。


演奏内容:
全国大会では、講評は個別発送されません。毎度おなじみ来年1月のハーモニーの座談会を待ちましょう。

さて、当日及びCDを聞いて感じたことです。

課題曲:
 ・全体の構成は良かった。生き生きとしたテンポ感、明るく軽快な曲が団に合っていた。
 ・音程的に、Sopが何度かふらついた部分があった。
 ・人数的に仕方ないが、Altoが小さくて、動きが外に伝わっていかない。
 ・Tenは関東大会の時より、のどにかかる部分が改善されていた。
 ・Bassはやや音程が低かったが、突出した部分がなかった。
 ・言葉の問題で言うと、もう少しRが聞こえた方が良かった(固まる巻き舌でなく)。

自由曲:
 1)Ubi caritas
   ・最初の和音でもっとはっきりぶつかる音程を出したかった。
   ・Tenor二声のドローンに対するBassの上行音形が決まっていない。
   ・BパートのソプラノのSpeed感は良かった。
    フォルテになる部分のバランスはよかったが、語尾が少し乱暴になった。
   ・A'パート、Bassが少し大きかったか。Amenは残念ながらまだまだだった。

 2)Tu es Petrus
   ・関東大会よりも動きがそろってきた。
   ・最後のffになっていくところ、発声、音程的にもう少し。
   ・Sopの高音はよく鳴ったと思う。もう少し楽にできたら理想的。
    下三声はばらけが見えた。

 3)Tantum ergo
   ・全体的に疲れて、テンションが下がってしまった。
   ・特に二番が音楽的にも言葉の問題などからも、失速してしまったのが残念。
   ・Sop出だし、コントロールしきれなかった(音程的にも音量的にも)
   ・Alto、レガートの動きがゴツゴツ。
   ・Bass音程が合わなかった部分が目立った。


全体を通して言うと、
 ・総合的には(富士通としては)一番良い演奏だった。
 ・明るく軽快な部分を出すことには成功した。
 ・長いフレーズを保つこと、フレーズの入りと切りを必ず決めることなどがまだ
  できていないように感じた。
 ・音程に対するシビアさと、フレーズ最後まで歌い通す粘りがもう少し欲しい。
という感じでしょうか。


コンクール総括:
今回は、関東大会で、一団体のみの出場にも関らず銀賞受賞(金賞該当なし)での全国大会への出場でした。そのことについて、忸怩たる思いを抱いていた方も多数いらしたようです。私もそうでした。
そんな中で、また次年度演奏会を控えて他の曲の練習も入ってくる中で、どこまでやれるか不安もあった大会でしたが、全国大会ではとてもいい演奏ができて嬉しくもあり、驚いてもいます。

細かいことを言うとできなかったところ、まだまだのところもたくさんあり、本来なら全国大会で戦えるレベルではないといわれてしまうところもあると思いますが、確実に一歩ずつ前へ進んできている手ごたえは感じられました。


さて、客観的には我々の演奏はどうだったのでしょうか。本当に進歩しているのでしょうか。
ひとつの手がかりとして、ここ三年の全国大会の審査表を見比べてみます。

もちろん、この結果がすべてではありません。審査は水もので、たまたま前後の出番の団体の演奏や人数がホールの響きなども影響します。
また、出演団体も審査員も違いますので、これだけを真剣に分析することに意味はありません。それを前提で考えましょう。

ちなみに課題曲はすべてG1を選択しています。曲の内容、難易度的にはそれほどの差はありませんでした。団員の好き好きはあろうかと思いますが。
自由曲に関しては、譜面的難易度でいえば今年が最も難しい曲を選択しています。

 2006年熊本→
 2007年東京→
 2008年岡山→

みなさんはここから、どんなことを読み取られたでしょうか。

全体的に、じわじわと評価が上がってきていることがわかりますね。

年度別の傾向:
 ・2006年は、ほぼ9位と10位の評価(この年は10団体しか出てない)
 ・2007年は、9位から11位の評価にかたまっている。
 ・2008年は、8位と9位にほぼ固まっている(ちなみに総合8位は銀賞です)。

その他:
 ・2008年は最下位評価が最も少ない(これまでは4人、今回は2人)
 ・2006年、2007年には突出して良い評価をつけた審査員がいた。
  2008年には突出した評価はない。

良い意味で言えば、
 団としての実力が上がってきた、あるいは、演奏に安定感が出てきた
 少しずつ前進した結果、乗り越えるべき壁や道筋が見えてきた
ということが言えるでしょう。また、
 銅賞から銀賞への近そうに見えて遠い目標にたどりつくためには、聞いている人に
 訴えかける何か強烈なものが必要だが、それがない
という部分が我々に不足しているように思われます。

これらの点に関しては、実際にホールで聞いてくださったご家族の方、またCDを聴いての諸氏の感想をぜひお寄せいただきたいと思っています。またハーモニーに乗るであろう審査員座談会もひとつのヒントとなるでしょう。

中には耳の痛い感想、講評もあるかも知れませんが、それらを糧にして、また前へ進んでいくことができるとよいと思っています。


総括が長くなってしまいました。
何か反省点ばかりを強調して書いてしまったようですが、今回の大会は、最終的にみんな「いい演奏をしてきた」と思えた、富士通としては良い大会だったと思っています。
とにかく現状でできる限りのことをして、そして三戦する中で演奏の質も向上し、それなりの結果を得て帰ってきたのだから、我々としては大きな収穫でした。


さて、これからクリスマスコンサート、そして何より重要な久しぶりの演奏会が待っています。

今回の大会で得たこれからの目標として
 発声的にも音楽的も、安定して同じことができるように鍛える
 音程にシビアになる
 音楽的な訴求力をつける
この三点を目指してこれからの練習を進めていきたいと思います。

コンクール総括、以上です。

みなさま、本当にお疲れさまでした。これからもいい音楽を作っていくために、一緒に頑張っていきましょう。
最後になりましたが、コンクール参加のためにご尽力くださった方々に改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました。

2008年11月30日

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