JCAへの道


(最終更新日:2002年9月24日)

JCAへ向けての最終確認(9月24日作成) 
演奏曲、並び等

課題曲:Heu mihi,Domine
自由曲:O magnum mysterium
     O vos omnes

・音取り  すべてピッチパイプでとります。
       課題曲、自由曲1曲目(O magnum)は、H一音のみ、
       自由曲2曲目(O vos)は、CとGの二音出します。

・並び   ひらがな一文字で書いときますので、自分の位置を分かってください。
       ドラクエの復活の呪文みたいになってしもた(^^;)

       や か み き  ふ ば ま に あ  ふ わ ち  き く ふ み き
                            ↑
                          センター

                          指揮者

演奏全体への注意事項(最終)

3曲共通
 ・言葉のニュアンスを活かした演奏を行なう。単語のアクセント位置を再確認。
 ・ポリフォニーらしさ(各パートのフレーズがそれぞれ立ち上がり、互いに絡みあって
  入れ子になって進行していく)をよく意識すること。
 ・フレーズの終わりを丁寧に(特に短い音符でフレーズが終わる時、たっぷりと)
 ・カンニングブレスの位置を再確認しておく。
  パートが単独で動くところや小節線をまたぐあたりでむやみに継がない。

曲毎の注意点
下記にこれまでのものをまとめなおしてあります。チェックしておいてください。

 課題曲
  Heu mihi,Domine

 自由曲

  O magnum mysterium
  O vos omnes

課題曲 Heu mihi,Domine(ああ、主よ)
演奏上の注意: 9月24日更新 

全体的な注意点:
 ・言葉のイントネーションを大切にする。語尾が必要以上に大きくならない
 ・言葉がもたつかない。特に低声部、言葉の出だし、音が飛ぶ辺りでもたつくので注意。
 ・テンポ四分音符=96〜108くらい

P−1
 ・出だしの男声二部でテンポを作ること。
  テナー(H)、ベース(E)の五度音程を決める。ベースはなるべく細くあてること。
 ・Heuからmihiへ向かってややcresc.
 ・6小節目、アルト・テナーの二度ぶつかりをよく鳴らすこと。
  なお、テナーは少し出し気味。ベースは細く。
 ・13〜15小節ソプラノ、旋律の終了を感じさせる。G→Aへのカデンツであることを
  意識したい。

P−2
 ・16小節目からは各パート「quia peccavinimis」や「quid facciam miser」の
  出をはっきり出す(言葉本来のアクセントは消さないこと)。
  それぞれのパートが歌いはじめたことが分かり、さらにフレーズが絡み合っていく
  のが聞こえるように。

 ・21小節目〜24小節目の八分音符を次のパートにうまく引き渡したい。
  八分音符の受け渡しを滑らかに。上昇音形は少し急いて、下降は丁寧に。

P−3
 ・34〜39小節、メリスマは17世紀風(?)、勢いをつけて音符を切れよく歌う。
 ・「nisi」sは軽くにごる
 ・「miserere mei」1回目S&T、2回目男声、3回目女声。訴えかけの強さの変化に
  注目する。次第に音としては低く弱く、音楽としては自分の内面へ、より内省的
  な方向へ進行する。

P−4
 ・スーパーlegato(^^;)で歌うこと。あまり拍節感を強調しない。
  音楽の勢いを止めないように気をつけること。
 ・女声の八分音符を滑らかに動きをもって
 ・最後の和音をあまり確信に満ちて鳴らさない。属和音のような中途半端な終止。
 ・67小節目から急に遅くなる。たっぷり息を保っておくこと。

ムジカ・フィクタの取り扱い
ムジカ・フィクタ(五線譜の上にはみ出して書いてある#、♭、ナチュラルのこと)
→7月24日(水)の片野先生の練習時に変更がありました。
  テノールの32小節目以外はすべて外します。

O magnum mysterium(大いなる神秘よ)
演奏上の注意:9月24日更新  

全体的に語尾が強すぎる。「A(ア)」が暗くなりがちなので気をつけること。

P−6:
    ・出だしのSoprano明るめの発音で歌いだす(あまり暗いOにならない)
    ・全パート、「O magnum mysterium」まで一息で(ノンブレス
    ・ma-gnumの間をレガートで歌う。切れて聞こえがち。
    ・5小節目のSop、ad-mi-ra-bi-leの「bi」の八分音符を後ろに引っ張り過ぎない。
    ・7〜8小節目ソプラノのメリスマの歌い方:一拍目に強い拍が来ないように
     裏拍から育てるように歌う。
    ・8〜9小節目で一度dim.
    ・11〜12小節目、Altの3拍目からのE−Fis−G(ナチュラル)が重いので
     軽く上がる。四拍目裏のFisがテンポ遅れる。G(ナチュラル)軽めにあがる

P−6〜P−7:
    ・12小節目から全パート、繰り返される「et admirabile」を聴き合う。
     Ten→Bas、Alt→Sop→全パート(16小節目、ここを一番大切にそろえる
    ・18小節目の「admirabile」の語尾が強いので収める。

P−7〜P−8:
    ・20小節目から男声の「ut animalia」と上三声の「ut animalia」の違いを出す
    ・22小節目の全パートの「viderent Dominum natum」の和音をよく鳴らす。
     特に、22小節目Bassが入った瞬間の重厚な音。
     25小節目からの繰りかえしは上三声で細やかに歌う。
    ・26小節目、27小節目の女声のぶつかりを強調したい。ここはノンブレス。

    ・20小節目以降の、上三声による和音 対 ベースを含めた重厚な和音 の
     対比
。繰り返して提示されることを意識すること。

    ・27小節目からの「jacentem」の掛け合い、ドラマチックに盛り上がる。アルトの
     16分音符が速すぎないように、重厚に。
     37小節目の第一拍までエネルギーをもってすすみます。その後下降音階で
     音楽を収束させます(5月22日訂正)。
     37〜38小節目の小節線をまたぐ辺りにきたら、音量を絞っていること。

P−8〜P−9:(アレルヤ唱の前まで)
    ・40小節、ごく静かに始める。「Virgo」のSop、Basは音程の上行、下行に従って
     音量を出す。
    ・43小節目のソプラノ、ベース。八分音符+四分音符を分けて歌う(切るという
     意味ではありません。ふたつ音符があることを意識するだけです)
    ・44小節目の「cujus」は再びppで始める。
     アルトだけ遅れてはいるので「cu」をはっきり入れる
    ・44小節目は弱く始めるが、「meruerunt」のTen、Altの八分音符を
     きっかけに音量を上げる。50小節目から緩やかに一度曲を終わらせる。
    ・「Jesum Christum」小さいところから丁寧にはじめる。

P−9〜P−10:(アレルヤ唱)
    ・天上のアレルヤ(三拍子)と地上の人間のアレルヤ(四拍子)を意識
    ・3拍子のアレルヤは軽快に、リズミカルに演奏する。

    ・53小節〜57小節の上三声は特に軽やかに、Basが入った瞬間の重厚な音を
     よく聞かせる。
    ・62小節目からのSopは、それまでの流れから切り離されて、続く4拍子を予感
     させるように歌う。

    ・67小節目(4拍子に戻ってから)あまりだらだらと遅くならない。
     ベースは下降音形の粒を揃えて丁寧に。
     72小節目くらいからテンポ落とすので特に内声部は注意


楽譜の変更点:(6月15日確定)
 1)18小節目、テノール、ベースの「sacramentum」
   「cra」を4拍目→3拍目に移動。

 2)24小節目、ベースの「natum」
   「na」を3拍目の二分音符に移動

 3)「alleluia」の歌詞割り変更
   ・55小節目〜56小節目、ソプラノ、アルト
   ・59小節目〜60小節目のソプラノ、テノール
   ・65小節目〜66小節目のアルト
    以上3箇所、 「Alleluia」の「le」を56(60、66)小節目の最初の拍に移動

 4)55小節目、65小節目のアルト 4拍目裏のGをGisに変更
   59小節目のソプラノ、4拍目裏のGをGisに変更(6月15日)

 5)68小節目〜69小節目、ベース
   ・68小節目3拍目裏のFisをFに変更
   
・69小節目2拍目裏のムジカ・フィクタをはずす(GisをGに変更)(6月15日取りやめ)

O vos omnes(すべて道行く人よ)
演奏上の注意9月24日更新  

P−1:最初のTenorとAltoの完全なユニゾンから2小節目S、T、Bのc-molの和音への
     展開をしっかり出す。さらに3小節目G-durでは特にSopranoのH(シ・ナチュラル)
     の音が重要。その後、Tenorの動きに合わせて自然にdim.
     「O vos」のVの発音が非常に悪い。Bossに聞こえます。きちんと唇に前歯を当て
     て、Vを鳴らす。

     ・3小節目2拍目と3拍目の間で全員ブレス
     ・全体的に子音をしっかり立ててほしい。
      たとえば、6小節目の「omnes」のs、次の「qui transitis」のqや語尾のsなど。

P−2:
  上段 「道を行く人たち」の部分はTenorの八分音符に合わせて強弱をつける。
  下段 pから入る。 17小節目はさらに小さくppで。

P−3:
    ・17小節目は弱めに入る。音が動くごとに音量を上げ、18小節目のソプラノが
     入った辺りでmfにする。
    ・21〜22小節目、ソプラノとベース、GとAsでぶつかる音を意識する。
     二度のストレス(引き裂かれるような痛み)から解決する和音へ。

    ・23小節目から僅かずつ音量を上げる。きっかけはSopranoの「dolor meus」
    ・26小節目S、T、Bの3声はその前のフレーズよりははっきり入る。
     その後28小節目へ向かってcresc.

P−4:29小節目、T、Aの八分音符の下降に沿って音量引く
    30小節〜33小節 pで

P−4〜P−5:
    34小節目〜51小節目、この曲中で一番盛り上がる部分。
    ・34小節目〜36小節目、各パートの四分音符(attenditeのdiに相当する)をよく
     聴き合う。ここで「止まりなさい」という意志を見せてください。39小節目で一時
     おさまる音楽は以降さらに展開されます。
    ・Attenditeと言う時、「A」と「tten」が切れすぎ。きちんと繋いで「Attendite」と
     聞こえるように訴えかける。
    ・特に45小節目以降の「dolorem」の掛け合いを強調する
    ・46小節目のアルト、テナーの「dolorem」しっかり歌う
    ・50小節目のSop、Tenの八分音符の下降にあわせて全体の音量を落とし
     音楽を一度収束させる。

P−6〜P−7:
    ・52小節目弱めに入る。パターンとしてP−2の11小節目〜と同様であるが
     一回目よりは「乾いた哀しみ」のいろを出したい。
    ・65小節目からは全体的に音量を絞る(p)
     ただし67小節目のアルト(D)、テナー(C)の二度の密度は高めに。
    ・最後のdurに展開した和音をきっちり決めて曲を締めくくる。
     ベースのG→C、アルトのE(ミのナチュラル)の音程を注意深く。
(ご参考)曲の構成:5月24日作成
              (以下の文責は管理人にあります。異論、間違いの発見等ありました場合は
                  どうぞ管理人までご一報ください)


「第一の哀歌」と呼ばれる詩篇(別途詳細をアップする予定でいます)の一部、僅か4行の
詩です。ここでの「哀しみ」の主体はJerusalemの町、それ自体です。これがまず重要な
ポイントのひとつ。

そして詩の大まかな訳(私の訳ですので、細かいところに何か違いがあるかも)は以下の
ようになります。

第一連:おお、あなたたち、すべて道行く人よ
第二連:立ち止まって、そして見なさい。私の悲しみと同じような悲しみがあるかを
第三連:立ち止まりなさい、すべての民よ、そして私の悲しみを見なさい
第四連:私のこの悲しみと同じ悲しみがあるかどうかを

基本的な曲想としては、それぞの連において
「八分音符等で上昇音階がついているところでcresc. 下降音階でdecresc.」
これが基本になります。
そして、八分音符は近代の音楽のように小気味よくさくさくとはすすみません。

全編にわたって激しいディナミックのつかないこの曲は、第三連において、最もその
感情の高ぶりをみせることになります。

第一連は、最初の呼びかけになります。テノールとアルトの、全く同じ音からはじまる
呼びかけは、外声部を迎えて厚みをもった呼び声に展開されます。P−2の7〜8小節
目、女声の2度でぶつかりあう音からdurへの不完全な終止によって、次の「哀しみの
提示」へ曲は展開していきます。

第二連は、「第一回目の哀しみの提示」になります。ですから、それほど急激な音量の
増大は見られず、立ち止まらせる力(attenditeの四分音符の動きが人々への抑止を
示す)はそれほど大きくありません。

それに対して、第三連の「第二回目の哀しみの提示」による人々への呼びかけ、立ち
止まらせる力はかなり大きなものとなります。
ソプラノから始まり、内声部を経てベースが最後の抑止力となるこの一連の流れから、
「すべての民よ」という呼びかけまで、ここがJerusalemの町の振り絞る感情が表され
るところであると思います。
その後の「私の哀しみ」という言葉の提示(P−5)は、各パートが入れ替わり立ち替わ
り「哀しみ(dorolem)」という言葉を繰り返す中で、次第に落ち着きを見せ、再び内省的
な音楽への回帰を図ろうとします。

第四連は第二連の後半部と同じ言葉を繰りかえし、静かな中にすでに取り返すことの
できない諦観をにじませ曲を収束させていきます。