ミューザ川崎市民合唱祭2008(2008.07.06)


講評:
■藤原規生氏(声楽家)
あたたかいサウンド。丁寧な歌い方、選曲に知性を感じます。
お忙しい時の流れの中で、こういうアカデミックな音空間と時間をもたれていることを
嬉しく感じます。
フランス音楽の色彩感、音楽の中にある光と影、を出していくために、各パートの
重ね方、各フレーズ(各パート)の旋律の頂点、メリスマの扱い、言葉の中のスピリット、
教会音楽の旋律……、更に更に深めてみて下さい。
デュリュフレの輝いた音たちが更に光りだすでしょう。



■川上勝功氏(声楽家)
とても柔らかく、上質な声の合唱団ですね。響きで歌うことを充分に分かっておられる
ので、たいへん心地よく聞けました。
Durufleの名曲ばかりですが、ラテン語のDictionはなかなか美しかったです。
欲を言えば、Sop.の高音が少々”生”になりました。残念です。
もう少し喉頭の位置を下げて喉を深くすると安定すると思います。
Good!!頑張って!!


■大熊崇子氏(作曲家)
美しい響きに感動しました。ピッチも大変よくそろい素晴らしい合唱でした。
フレーズの抑揚や、そのもっていきどころ、部分によってはバランスの工夫も意識なさり
ながら、益々魅力的な演奏になることを期待致しております!


指揮者所感:

録音CDを聞いた時のメモ
・録音した場所が反響のない場所だったのか、ちょっと無味乾燥に聞こえます。

・全体を通して、事前に心配したよりは悪くない演奏です。
 今回目標にしたこと、
  Ubi caritasはとにかく音程
  Tu es Petrusは崩壊しないで最後までもっていく、
   Tenは低くならない
  Tantum ergoは、一番と二番の終わりのフレーズを小さく
 というについて、頑張ったところみえる演奏になっています。

・練習でもボイトレでも同じことを繰り返されていると思いますが、
 「母音が途切れる(響きが続かない)」ので、音がぱさぱさした感じに聞こえてしまい
 ます。もっともっとレガートに。

・Tu es Petrusは、少し力んでしまったようです。最後、音程がえらいことになっています。
 でも、テンポとか変拍子のところをきちんと揃えようとしている部分は評価できると
 思います。

・Tantum ergoは、Ten.が音程的にも音量的にも、全体に埋没しているので、
 曲の構造が見えません。あと、まだまだ強弱をつけていく必要がありそうです。

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